M&Aの基礎知識 4. バリュエーション(企業価値評価)の基礎知識

バリュエーション(企業価値評価)の方法は、大きくインカムアプローチで(DCF法)、コストアプローチ(時価純資産法)、マーケットアプローチ(市場株価法、類似会社比較法(マルチプル法))に分類されます。これら利用して、妥当な価格のレンジを導き、M&Aの意思決定を助けます。 インカムアプローチは、将来期待される経済的利益を、その利益実現に見込まれるリスク等を考慮した割引率で割引くことにより企業価値評価を行うものです。 将来のフリーキャッシュフローを算定して評価する「DCF法」、株主が受け取る配当額から評価する「配当還元法」などが代表的になります。コストアプローチは、ネットアセット・アプローチ、ストック・アプローチなどとも呼ばれ、会社の純資産を基準に企業価値を評価する方法です。 会計上の純資産額に基づいて評価を行う「簿価純資産法」と、評価対象となる企業または事業の資産・負債のすべてを時価に置き換えて純資産を評価する「時価純資産法(または修正純資産法)」に分けられます。マーケットアプローチとは、市場において成立する価格をもとに企業価値を算定する手法です。代表的なものとして、評価対象企業自体の株式の市場価格を基準にして評価を行う「市場株価法」、評価対象企業と類似する上場企業の市場株価や、類似するM&A取引において成立した価格をベースにした一定の倍率(マルチプル)を評価対象企業の経営指標に乗じることによって価値を導き出す「類似会社比較法(またはマルチプル法)」があります。 企業価値評価は売手・買手双方にとって意思決定の土台です。戦略的に価格交渉を進めるためには、対象会社に対する適切な投資額を見極めなければなりません。そのためには、財務データを基にしながらも、買収対象とする事業・企業を取り巻く市場環境や、M&A実施後に 想定されるシナジー効果やリスク要因などを多面的なアプローチから分析する必要があります。

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