事業承継の基礎知識 1. 中小企業における事業承継のポイント

事業承継とは、会社の経営を後継者に引き継ぐことである。事業承継において、具体的に引き継がれるものは、会社の「ヒト」「モノ」「カネ」といった経営資源で、この内、「モノ」「カネ」を後継者に承継することを総称して「物的」事業承継という一方、「ヒト」の承継は「人的」事業承継と呼ばれ、社長という組織内での役職・役割と、会社の経営権を、次の社長となる後継者に託すことをいう。ヒトに付随した、経営理念や信用力、独自のノウハウといった目に見えない経営資源を後継者に引き継ぐことも広い意味で「人的」事業承継の中に含まれる。中小企業が後継者への事業承継を検討するにあたり、前提となる市場環境、基本的な流れと考え方について概説する。中小企業の事業承継における主な手法としては、「親族内承継」「親族外承継(MBO・EBO)」「第三者への承継(M&A)」の3つが考えられるが、高齢化していくオーナー経営者が次世代へスムーズに経営のバトンを渡すには、どのようなことに気を付ける必要があるのだろうか。