事業承継の基礎知識 5. 「非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例」の活用

「非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例」を利用すれば、後継者が現経営者から自社株式を贈与あるいは相続・遺贈によって取得した場合、一定の条件を満たして所定の手続きを行うと、贈与税・相続税の納税が猶予されます。 ただし、納税猶予を受けたあとに要件を満たさなくなった場合は、猶予された税額をすべて納付するととになります。そのため、納税猶予を利用するのであれば、その後の会社経営に関してきちんと見通しを立て、事業を継続していく必要があるのです。この税制の活用の検討ポイントは、①会社の事業の将来性に対する見極め、②後継者の能力に対する見極めであり、いずれも会社の永続的発展のために不可避の要素になります。 中小企業のオーナーにとって、換金性のない自社株式に対して多額の相続税が課されることは死活問題です。相続税をいかに引き下げるかに腐心するあまり、株価を抑えるために利益を出さないようにしたり、不必要な会社分割をしたり、自社株式を親族にばらまくなどといった行為も見受けられますが、いずれも会社経営上、健全性を欠くものであり、却って会社の寿命を縮めることになります。会社に負担をかけず、円滑な事業承継ができるようにするために設けられたのが、この「非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例」なのです。