専門誌出版社がM&Aによりデジタルコンテンツ事業へ進出した事例

譲渡会社:X社

事業内容
出版業
エリア
関東地方
売上規模
5億円以下

譲受会社:A社

事業内容
IT・デジタル出版業
エリア
関東地方
売上規模
100~300億円

当社の関わり方

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背景・売手オーナー様の課題

当社は、専門誌業界では高いブランドを確立している出版社(編集プロダクション)である。
業界における出版社としてのポジションは確立しており、編集プロダクションとしても定期刊行物の編集能力など他社にない独自の技術を有している。

これまでは順調に事業を拡大してきたが、出版物(書籍、雑誌)の市場規模は、メディアの多角化による消費者の書籍離れや、電子書籍へのシフトなどの影響により長期的に縮小傾向にある。また、出版業界の大きな収入源の一つである広告収入も同様に、インターネット広告へのシフトを背景に市場規模が縮小している。
一方で、内部の管理体制にも問題を抱えていた。一定の規模に拡大した今となっては、社長は経営に注力する必要があった。しかし、社長は最後まで作家・編集者でありたいという強い希望を持っており、結果として経営と現場の両方を管理せざるを得ず、両方の業務に対して十分に手が回っているとは言い難かった。

これらの問題を解決する為に、M&Aによって自社にない技術を持つ企業と提携し、経営の専門家を招き入れることで、自社を持続的に発展させることはできないかと考えた。

M&Aの進め方、成約のポイント

買手候補選定の基本方針

  • 出版業界に知見があり、自社にない技術であるITデジタル出版関連の分野に強い企業であること。
  • 自社のコンテンツを活用し、新たなビジネスへと繋げられる企業であること。
  • 弊社が提案した買手候補先リストに基づき、社長と相談のうえ打診先を選定し、優先順位をつけアプローチする。

A社を選定した理由

  • 過去に出版社の買収実績があったため、オペレーション(経営)を任せることができる。
  • 事業シナジーが明確であり、両社の更なる発展が期待できる。
  • 内部留保は厚く資金力も潤沢あるため、新ビジネスへの投資に積極的である。

成約のポイント

  • 社長のM&Aを検討している理由が明確であり、迅速な意思決定ができた。
  • X社の株主は複数名に分散していたが、初期段階から全株主の売却意向を確認できていた。

成果・効果

事業の発展

  • A社のITデジタル出版関連の開発による事業の成長といった意向と、X社のコンテンツ分野を拡充させたいという希望がマッチし、相互の強みをもって協業することで、更なる成長に繋がった。

経営の引き継ぎ

  • 社長業はA社から招き入れた人材に任せ、社長は編集者として会社に残り、自身がやりたい仕事に専念できることになった。
  • 金融機関からの借入金に対してはA社が保証する事となり、社長の個人保証は解除された。