事業再生の出口として投資会社とのM&Aを実施した事例

譲渡会社:X社

事業内容
ハウスメーカー
エリア
東北地方
売上規模
10~30億円

譲受会社:A社

事業内容
投資業
エリア
関東地方
売上規模
非開示

当社の関わり方

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背景・売手オーナー様の課題

X社のオーナーである会長は、10数年前に息子に経営権を譲り、代表権はあるものの実質的には引退をしていた。ブランド力のある会社でファンも多く、次の代では関東地方にも進出し、拡大路線を取る方針であった。

しかし、息子が経営権を握ってからというもの、財政状態こそ良好に見えたが、不思議と資金繰りは悪化していった。業種の特性から、受注から引渡しまでのリードタイムが長く、多額の運転資金が必要になるため、金融機関からの借入は増加した。さらに資金繰りに逼迫すると、仕入先に支払いを繰延べてもらう一方で、新規に受注したときの手付金を返済に充てる、といった自転車操業に陥ることになった。

このような経営状態の最中、息子が体調を崩し、会社経営が出来ない状態となったのをきっかけに、過去の仮装経理が発覚。その結果、金融機関からの借入金に対し個人保証をしていた会長以外の経営陣が引責辞任し、会長が現場復帰することになった。その後、外部から財務面に強い人材を登用し財務改善に取り組むも、これまで積み上げられてきた負債が過大であり、自力での再生は断念。他社からの支援を受けるべくM&Aを行うことを決断した。
会長がM&Aを決断した理由は2つあった。

一つは、デザイン力、施工力、企画力、ブランド力が高く、財務状況が改善すれば、事業を継続させられる自信が会長にはあったこと。というのも、本社や展示場で行うイベントではSNS等を活用した集客を行い多くの来場者があり、根強いファンがいた。新規の引合いも順調であり、財務状況の悪化により関東地方からは撤退して営業エリアは東北地方のみに縮小したが、依然として撤退したエリアの顧客から引合いがあった。

二つ目は、契約済みの施主、従業員、取引先に迷惑を掛けたくない、という思いである。会社を信頼して発注して頂いた施主、休日や昼夜問わず対応している従業員、無理難題にも何とか対応して頂いている取引先、彼らのような多くのファンを裏切ることは出来なかった。

上記の理由から、社長はM&Aを行うことを決断した。

M&Aの進め方、成約のポイント

買手候補選定の基本方針

  • 買手に求める譲れない条件は、資金力があること。
  • 資金繰りに窮しているため、時間に制約があり急いで譲渡する必要があった。
  • 弊社が提案した買手候補先リストに基づき、社長と相談して、売手が独自に打診した先を除く全ての打診先に一斉にアプローチをする(同時並行)。

A社を選定した理由

  • A社は、基本的に売手の経営方針を尊重し、あまり深く介入することなく運営は任せる姿勢であった。
  • ネットビジネスに精通しており、X社の新たなビジネス展開が期待できる。
  • X社のデザイン力、施工力、企画力、将来性を評価した譲渡価格を提示された。

成約のポイント

  • 会長以外にキーパーソンとなる方がおり、先頭に立ってM&Aを進められた。
  • X社の本業は収益性があり、過剰債務を整理できれば事業継続出来る状態であった。
  • 弊社を活用することで、資金力があり、X社の更なる発展も見込める優良な買手が迅速に紹介出来た。

成果・効果

過剰債務の整理

  • A社と金融機関の支援により、X社の事業継続の足かせとなる過剰債務を整理する事ができたことから、契約済みの施主、従業員の雇用、取引先を守ることができた。

会社の再成長

  • A社の資本参加により、風評被害が収まり、新規受注やリフォーム受注の取り組みが可能となった。
  • A社の知見を活用する事で、ネットビジネスへの展開も模索できるようになり、事業領域の拡大が期待できる。