医師確保に苦しむクリニックを地域有力病院が救済したM&A事例

譲渡法人:X法人

事業内容
医療
エリア
関東地方
売上規模
5億円以下

譲受法人:A法人

事業内容
医療
エリア
関東地方
売上規模
10億~30億円

当社の関わり方

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背景・売手オーナー様の課題

X法人のオーナーである事務長は、医師ではなかったが精神科クリニックを20年近く経営してきており、業績は堅調に推移している。
そのような経営状況にあるにも関わらず、事務長がM&Aによる事業承継を検討する最大の理由は、医師の確保にあった。

医療法人の理事長は医師であることが原則とされ、また、院長は必ず医師でなければならない。医師でない事務長が医療法人の経営を担う場合には、医師の確保が死活問題となる。
事務長は、もともと夫婦でX法人を経営していたが、医師である夫の死後は、医師を雇用することでX法人の経営を一人で続けてきた。しかし、ここ最近は医師を雇用しても数年で辞めてしまい、事務長は数年に一度は医師の確保に奔走することを繰り返していた。
医師の確保に断続的に苦しむ経営から脱却したいという理由から、事務長はM&Aを行うことを決断した。

M&Aの進め方、成約のポイント

買手候補選定の基本方針

  • 買手に求める譲れない条件は、医師を派遣できることである。
  • 現職医師の退職時期が確定していたため、迅速なM&A実行が必要である。
  • 弊社が厳選した買手候補先3法人に同時にアプローチする。

A法人を選定した理由

  • 医師を派遣できる病院である。
  • A法人は昨年先代からの事業承継を終えており、若い理事長のもと迅速な意思決定が可能である。
  • X法人の患者をA法人で入院させられる距離にあり、医療機能面でも連携できる。

成約のポイント

  • 現職医師の退職までにM&Aを実行しなければならないという共通認識がX法人A法人双方にあり、協調的なM&Aが進められた。
  • A法人は、近隣でクリニックを複数開設したいという思いがあり、X法人とのM&Aは、A法人にとってクリニック展開の足掛かりとなる効果があった。

成果・効果

医師問題の解決

  • X法人から速やかに医師その他の職員派遣が行われ、A法人は患者に対する安定的なサービス提供が継続できることになった。

法人間連携

  • X法人は無床クリニックであったため、患者を入院させる機能は有していなかったが、A法人とのM&Aにより、A法人の病院にX法人の患者を入院させることが可能となった。

職員の成長環境

  • A法人は、職員の教育研修に力を入れており、X法人の職員はA法人の教育研修を受けることが可能となった。
  • X法人の職員がA法人で一定期間勤務することが可能となり、X法人の職員にとってキャリアの多様化が図られた。