実績・事例紹介

海外人事コンサルティング

海外拠点のガバナンス体制の検証と是正

自動車部品製造業/F社
社員数:約1200名

背景・課題

  • 以前は完成車メーカーの後を追う形で海外進出をしてきた
  • その後系列が弱まり、海外事業計画の立案から実施まで自社で行うケースが増えてきた
  • ホワイトスペースを狙って5年ほど前に進出した東欧の工場での歩留まりが思うように改善しない事態が発生した
  • また、設立7年目の上海の拠点でもコンプライアンス問題が発生した
  • これまで拠点任せだったガバナンスを本社主導でシステマチックに実施したいと考えている

検討プロセス

  • 経営層、海外事業担当役員、当時の赴任者などにヒアリングを実施し、会社として目指したいガバナンス体制のイメージを把握した
  • 海外拠点への赴任者、過去の赴任者にインタビューし、これまで発生したインシデントに関する情報を収集した
  • ガバナンスに関する規定類を精査し課題を抽出した
  • 上記をもとに、課題と原因を整理し改善案を作成、再度関係者にインタビューを実施し、妥当性に関して検証、最終化した

実施事項

  • 上記の調査により下記が判明
    • ①.地域経済の悪化と競合の出現により、上海拠点ではプロジェクト数が著しく減少。セールススタッフの報酬はコミッションのウェイトが高かったため、手取額も減少した。この埋め合わせをするために納入先企業の担当者と組んでコミッションを高める工作をしていた。
    • ②.ベトナムの拠点では、日本からの駐在員の報酬に関する税務処理のプロセスが間違って実施されていた。
    • ③.北米リージョンのCEOは、日本本社からの要請にも関わらず、全社のマーケティング戦略を無視し、世界で販売に力を入れている新製品の売込みに協力しない。
  • 上記の課題に対する対策は以下の通り
    • ①.販売~回収に関するSOPを見直し、牽制が効く体制を構築した
    • ②.在ベトナムのパートナーファームに依頼し、税務処理に関する研修を実施。その後、適性なSOPを作成し、年に一度の社内研修を続けた(本社の担当者も参加)
    • ③.当該CEOの契約満了時にKPIを修正し、現状に合ったものに書き換えた。また、任期途中での目標変更も可能にするため、契約に必要条項を加えた

結果・成果

  • 属人的管理からシステムでの管理に移行することにより、担当者(日本、現地)が変わっても均質的な業務が維持できる体制が整った
  • 北米のCEOは、契約の改定を拒んだため契約の継続はせず、新たに内部から選出した
  • こうしたシステマチックな体制構築を実行したことで、海外拠点も本社の権威とコミットメントを見直した。
    これは、彼らに対する牽制にもなっている
  • 現在のところ、ガバナンス、コンプライアンスに関する業務は100%本社主導だが、今度は現地にも担当者を育成し、徐々に移管して行きたい